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ガンを飛ばされた俺は首を引っ込めつつ、えへへっと誤魔化し笑い。心を見透かされたために、俺は大雅先輩に腕で首を締められた。
じょ、冗談っす! 俺、貴方様とイチャコラできるよう頑張りますからっ、ギブ、ギブーっ!
「た、大雅先輩っ、苦しいっす!」
「テメェの相手は俺だよなー? 豊福。なあに浮気しようとしてるんだ?」
「う、浮気ってっ……、ぐぇっ、く、苦しいっ。わ、分かってますっす。俺の相手は貴方様っす!」
それでいいんだよ、フンっと鼻を鳴らして腕を解放してくれる。
苦しかったと喉元を擦って咽る俺は、もう少し手加減して欲しいと相手に直談判。野郎相手に優しくするかと吐き捨てられて、俺は肩を落とした。
ほんと、女子が居ないと俺様度が三割増しになるんだから。
小さく溜息をついていると、ウッホン、アジくんが意味深に咳払いをしてきた。
なんだと彼を見やれば、「あの視線が」痛いんですけど……、と小声で状況を説明してくる。俺と大雅先輩は顔を上げて状況を把握。見る見る羞恥が湧いてきた。
だって向こうから、女子生徒が数人チラチラと俺達を見ている上に、ヒソヒソと話している。
多分彼女達はここのコーナーに用があるのだろう。少女漫画コーナーに立っているものの、漫画を取る気配は無い。
それどころか、
「あれって、まさかの……、誰と誰だと思う?」
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