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「あの容姿端麗な人が攻めっぽいのは分かるけど、受けはどっちだろう。やっぱりあの子じゃない。ほら、悲鳴を上げていた」
「だよねぇ。もうデキているのかな」
~~~ッ、い、い、居た堪れないぃいいい!
そこの女子さん方に誤解されている!
嗚呼っ、泣きたい、泣きたいよ俺っ。父さん、母さん、息子はとんでもない獣道に進んでいるようです。女子達に大変な誤解されてしまいました。
身を小さくしていると、「んっー」大雅先輩が顎に指を絡めて思い悩む。
この状況について困っているのかな、アジくんと揃って視線を投げた。
「なんかよ」大雅先輩は口を開き、女子達の視線なんて総無視で俺達に意見してきた。
「変にシチュエーションを作らなくてもいい気がしてこねぇか?」
「え? どういうことっすか?」
「だからよ、確かに夢見る女子達は宇津木ワールドに色々と願望を抱いているわけだけど。実際、百合子が俺達をそれを見る時って、普通にしていてもそう見るじゃんか。例えば、あー、そこにいる女子達だって今まさに俺達をそういう目で見ているわけだ。まあ、場所が場所ってのもあるだろうけど……」
不意に大雅先輩が俺の頭に手を置いてきた。んで、よしよし撫でてくる。
大変微妙な気分になる俺を余所に、「うわぁあ」と小さく、んでもって黄色い声音が向こうから聞こえた。
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