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「な?」自然にしていてもそういう目で見るだろ? 大雅先輩は手を下ろし、俺とアジくんに向かって得意気な顔を作る。
「イチャコラしてもしなくても、野郎同士が仲良くしていれば百合子も自然と反応してくれると思うんだ。変に意識するだけ、なんっつーかぎこちない言動しかできないし。いっそ仲良くするってのでやってみねぇか」
「そういえば、宇津木先輩って、俺と大雅先輩が仲良くしていたりすると目がハートになりますよね」
「だろ? 俺と兄貴の時もそうだ。ここは一つ、野郎の友情で乗り切ってみねぇか? 普段どおり且つ、ちょっちいつも以上に仲良くする。それだけであいつ、飛びつきそう」
「なーるほど。友情以上恋愛未満な関係を作るってことですね」
ポンッとアジくんが手を叩いた。
そうだと頷く大雅先輩に、「友情路線なら」俺も普段どおり過ごせそうだと結論付ける。
大雅先輩のいうとおり、変に意識して宇津木ワールドを作り出そうとしてもお互いにぎこちなくなるだけ。萎えが発生しそうだ。
だったらいっそのこと、男の友情とやらを見せ付けてその先の妄想を彼女にしていただこう。元気がなくても仲良くしていれば、宇津木先輩の性格上、絶対食いついてくれる筈。
スンバラシイ結論を出した大雅先輩に俺とアジくんは拍手を送る。
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