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腰に手を当てる大雅先輩は、「女子に任せたのが悪かったんだよ」こういう問題こそ野郎同士で解決しないとな、と口角をつり上げる。
まんま勝利の笑みだ。俺はあいつ等に勝ったという顔を作っている。
そんな彼にさすが大雅先輩だと煽てれば、「バッカ」俺様に掛かればこのくらいちょろいちょろい。
大いに喜びを体で表現、俺の肩に肘を置いて満面の笑みを零した。
距離感が狭くなり、体と体が密着。
おかげ様で向こうからアツイ視線を送られてしまう。やめて下さい、夢見る女子の皆さん。俺は彼女持ちですから。
「うっしゃ、解決もしたし、追々のことはまた移動しながら考えるとして。なんか食いに行こうぜ。腹減った」
俺達の手から文庫本を取り上げた大雅先輩は、ファーストフード店に行こうと誘ってくる。
アジくんは即答でOKを出したけど、俺は頬を掻いて尻込み。お金ないんっすけど……、百円あればハンバーガーくらいは買えるよなぁ。多分。
「なあにシケた面してんだよ。今日は俺の奢りだから、遠慮せずに食いに行こうぜ。庶民に奢れない小遣いなんて持ち合わせちゃないし」
「マジですか?! 空、ラッキーだな。奢ってくれるってよ」
「え、でも」
「遠慮したらシバくぞ。先輩命令だ。ほら、行こうぜ。飯ってダチと食うと美味いんだよな」
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