某俺様、萌えに想いを(後編)

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 登校時、昇降口で声を掛けられた俺は川島先輩の誘導で人気の無い廊下に連れ出されていた。  そこで鈴理先輩や大雅先輩と合流。  昨日、途中指導放棄でとんずらしちまったものだから二人が気掛かりに思って声を掛けてきたみたいだ。本当に勉強をしていたのか、単に逃げただけじゃ、訝しげな眼をと飛ばしてくる川島先輩に心外だと大雅先輩は不貞腐れ面を作った。  ちゃんと勉強をした。それこそ本屋に行って勉強をしたのだと意気揚々に語る大雅先輩、俺に同意を求めてくる始末。  あれを勉強会と名目して良いのかどうか、まあ一応勉強はしたから頷いておくことにする。   「まあ俺等に任せておけって。バッチシあいつの心を掴んでやるから」  その自信、どっから出てくるんっすか。  昨日のスンバラシイ答えを出したことで自信をつけちゃってからにもう……、はぁーあ、俺様ってメンドクサイな。 「おっと、そうだ。鈴理、お前、今しばらく豊福と戯れるの禁止な」  大雅先輩はキスも駄目だからとぞんざいに言い放つ。  カチンと鈴理先輩が石化、すぐに息を吹き返した彼女は大慌てで異議申し立てをする。 「……なっ、なぁああ?! ど、どういうことだ! なんであんたに禁止令を出されなければならないんだ! あたしと空は恋人同士でっ」     
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