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「宇津木ワールドっつーのは雰囲気が大切なんだろ? だったらテメェが猪突猛進して、豊福を襲ってくるのはKYもKYじゃねえか。あいつを立ち直らせるには、俺と豊福の宇津木ワールドオーラが必要なんだぞ」
うぐっ、それはそうだが……、鈴理先輩は不意打ちともいえる禁止令に身悶えた。
あぁああ、鈴理先輩がオアズケなんてできるんだろうか。
一日に一回はキスや押し倒し等々攻めを仕掛けてくる彼女だ。そう簡単にできるかどうか。
「豊福からも言ってやれ」
悪人面でご命令してくる大雅先輩。
どうやら昨日、面白半分に自分を弄くってくれた仕返しらしい。
大雅先輩はともかく、俺まで意地悪なんてしたら追々どんな仕打ちに遭うか。
だけど彼の言うことも正論だから。
「鈴理先輩、ちょっとだけの辛抱っすから。ごめんなさいっす。宇津木先輩を元気付けるためっす」
「うぬぅうううっ、そうだがっ、そうなんだがっ……、そ、空がそこにいるのに触れることもできないなんてっ! 生き地獄じゃないか!」
「すーずーり。我慢しねぇと書いてもらっている攻め女小説、読めなくなるんじゃねえの? んー?」
ニッタァッと悪魔な笑みを浮かべる大雅先輩に、鈴理先輩、敢え無く敗北。
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