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「怖いっすね宇津木フィルター」「まったくだ」小声で俺達は会話を交わし、小さく空笑い。彼女の脳内では今、どんな妄想が繰り広げられているのだろう? 想像するだけでも恐ろしい。
ぶっちゃけ朝のやり取りだけで宇津木先輩を立ち直らせた感がするけど、折角勉強したので本調子になってもらうまで俺と大雅先輩は『あくまで俺達は友情以上恋愛未満な関係なんだぜベイベ』作戦を続行することにした。
朝のやり取りだけじゃ本当に元気になったかどうか分からなかったしな。
来るべき昼休みになると、俺はわざわざ大雅先輩のいる教室まで赴いて一緒に学食堂へ。
偶然を装って鈴理先輩達と落ち合い、ひとつの席で飯を食うことにする。
なんだか鈴理先輩が欲求不満なのだよオーラを醸し出していた気がしたけど(食いたいのだよオーラが半端なかった!)、気付かぬ振りをして俺達は昼食を取り始める。隣に腰掛けてくる大雅先輩とアイコンタクトを取りつつ、向かい側に腰掛けている百合子お嬢様の視線をどう受け流すか思案。
嗚呼、期待されている。
仲良くしないといけないのは分かるけど、此処まで熱い視線を向けられるとやりにくいのなんのって動けないっつーの!
だがしかし、和気藹々と会話を交わしているよう演じている川島先輩と鈴理先輩から頑張れオーラ(と少々の欲求不満オーラ)を向けられるため、このまま黙々と飯を食うわけにもいかず。
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