某俺様、萌えに想いを(後編)

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 俺は弁当を食いながら、目をあちらこちらに動かし、話題づくりに精を出す。  ふと大雅先輩の定食に目がいき、俺は瞠目。うっわぁあ、大雅先輩、焼き魚の食い方、下手くそっすね。 「先輩、もうちょい綺麗に食べましょうよ」  焼き魚の食べ方を指摘すると、「骨が鬱陶しいんだよ」食いにくいと投げやりに返された。  骨が鬱陶しいって除ければいいでしょうにっ、あーあーあーっ、見てられないっす。身がまだ超残ってるじゃないっすか!  「貸して下さい」俺は皿ごと焼き魚を取って、身を解し始める。 「勿体無いっすよ。身を差し出してくれたお魚さんのためにも、綺麗に食べてやらないと」 「ついでに小骨も抜けてくれ。取るのメンドイ」 「あーもう、我が儘っすね。骨くらい自分で取って下さいよ。しょーがないから、見える小骨は取ってあげますけど」    一生懸命に身を解していると、「俺の世話を焼けて幸せ者だな」なんてお言葉を頂戴する。  ホンット幸せ者ですよ。まさか他人の焼き魚の身を解す羽目になるなんて思いもしませんでしたから。俺は貴方のお母さんですか? けど、放っておくと身が余っちまうからなぁ。此処は俺が折れて身を綺麗に…、と。   「豊福って器用だな。箸使い上手いっつーか」     
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