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「んー? ああ多分、性格が出てるんっすよ。何事も食べ物は綺麗に食べないといけないって使命感から、箸使いが上手くなっているのだと。はい、解れましたよ」
皿を差し出すと、「サンキュ」大雅先輩が嬉しそうに受け取って魚を食べ始める。
まったく子供みたいな芸術的解し方をするんっすから、御曹司って不器用なんっすね。
これだから坊ちゃんは……、憮然と肩を竦めていると、「今度からは」豊福に魚を解してもらうかっと、大雅先輩がのたまった。
ウゲッ、なんっすかそれ。俺は貴方の世話係じゃないっすよ、ジョーダンじゃないっす!
「毎度こんなことをさせられたら堪ったもんじゃないっすよ。綺麗に食べるよう努力して下さい」
「いいや、俺はもう決めた。今度から焼き魚は全部テメェに解してもらう。これは命令だからな。俺はテメェの世話を焼いてろ」
うーっわ、出たよ俺様。
全国の夢見る女子の皆さん、これが俺様の真骨頂っすよ。
こんなことを言われて萌えのきゅんになるんでしょうか? 俺には分からない世界っす。
「世話を焼くって」俺は貴方の奥さんっすか、ツッコミを入れると、「それもいいかもな」大雅先輩が悪ノリをかました。
ははっ、言ってくれちゃったよこの人。
こんなことを言われてさ、俺は喜びも何もしないのですが……、しないのですが……。
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