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「あれはプロポーズでしょうか。いいえ、でも空さんには鈴理さんがいますし。だけど、どけど……、あぁああ……、いつからお二人はあんなに親密にっ」
………。
俺と大雅先輩は川島先輩と鈴理先輩に目で訴える。
もう元気になったようだから、この役目、終えていいっすか? と。
二人の視線はNOだった。もう少し頑張って役を演じてくれ、まだ彼女は本調子じゃないから。……マジっすか、これでまだ本調子じゃないんっすか!
鈴理先輩に至っては“あたしも全力で我慢するから頑張れ。ちなみに大雅の奥さんにはなるなよ”と視線で訴え掛けてきた。なるわけないじゃないっすか……、彼は悪ノリをかましただけっすよ!
「だけど……、なんだか物足りないような」
シュンッと宇津木先輩が萎れた。
う、嘘だろ。元気だった彼女が萎れちまったよ。俺達、こんなにも頑張っているのに!
この後、大雅先輩が俺の頭を撫でる仕草を見せたんだけど、彼女が元気になったのはほんの数十秒。やっぱり項垂れてしまう。クッ、友情路線だけでは満足できないのか腐女子さまっ。脳内妄想は友情路線じゃ物足りないんっすか!
それから二日、友情路線作戦で頑張ってみたけど結果は惨敗。
元気を与えることは出来ても元気付けるまでには至らなかった。
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