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これには大雅先輩も思う事があったらしく、実践三日目を迎えた彼は路線を変えると言ってきた。その路線変更はズバリ、レッドラインギリギリまで関係を深める。友情以上恋愛未満カッコ親密度MAXカッコ閉じる作戦に変更すると言ったのだ。
つまり、一歩間違えば俺達はウェルカム宇津木ワールドの住人に成り下がるという、極めて危険な行為に踏み切ると彼は断言。
マジでやるのか、俺は顔を引き攣らせた。大真面目にやると断言する大雅先輩は、「これも百合子のためだ」苦虫を噛み潰した表情を作って額に手を当てる。
「あいつの腐フィルターを舐めていた結果がこれだ。もうちっとレベルを上げねぇとあいつの心は掴めねぇ。……やるっきゃねぇぞ。いいか豊福、テメェもレベルをMAXに上げろ。心は鋼鉄に、だ!」
「難易度高っ! ……む、無理っすよ。俺、今だっていっぱいいっぱいなのに」
「これが成功したらな。ケーキ五個、俺が奢ってやる。川島から二個、俺から五個、合わせて? おっと、テメェのご家族は三人だったな。じゃあ、七個、俺が奢ってやる。そしたら三人仲良く三個ずつ食える計算になるぞ」
ということは合わせてケーキが九個。
父さんと母さんと俺、満面に三個ずつケーキが食べられる贅沢が味わえる、だと?
「ケーキが九個……、父さん、母さんの土産。や、やる気出てきたっす! 大雅先輩、俺は夢見る女の子のために頑張るっす!」
萌えてきた、じゃね、燃えてきたぁああ!
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