某俺様、萌えに想いを(後編)

16/24

18人が本棚に入れています
本棚に追加
/252ページ
 ギョッと相手が目を剥いて驚いた。んで、「し……シアワセ者なんだからな」目線高く物申してくる。  うん、本当っすね、俺は貴方みたいな俺様系ミートロール男子をお友達に持ててシアワセっすよ。  振り回されることばっかすけど、それでも俺はこの人と友達で良かったと思っている。  食べ終わった弁当箱に蓋をして、俺は相手の体に凭れる。「重ぇ」抗議の声に、「兄弟ってこんな感じなんっすかね」俺は率直な気持ちを相手に伝えた。 「なんか大雅先輩と一緒にいると、兄ちゃんを持った気分っす。俺には兄弟がいないから、よく分からないんっすけど」    正しく言えば、超我が儘ジコチューな兄ちゃんを持った気分なんだけどな。    「豊福のところは、あれだよな。三人家族だもんな。兄弟欲しかったか?」 「欲しかったっすね。うちの両親、共働きだったから帰っても一人が多かったっすし。遊び相手もいなくてツマンナイって思うことも多々…、寂しいって思うことも多かったんっすよ」  だけどそれを言っちゃ申し訳ない気がして……。  大雅先輩は知ってると思いますけど、俺、父さん母さんの本当の子供じゃないんっす。本来は叔父さん叔母さんなんっすけど、本当の子供のように接してくれて。困らせたくないんっす。     
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加