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笑う俺に大雅先輩も一笑。癖のある人だけど、俺は大雅先輩と知り合えて良かったと思う。ほんっと良かったと「えぇええ?! ナニソレ、百合子!」
………何事?
俺達は顔を見合わせて上体を起こす。
今、川島先輩の声が聞こえたような……、気のせいじゃないよな。
大雅先輩も反応したわけだし。今の声は西校舎からだよな。
もしかして何かあったのか、好奇心を掻き立てられた俺達は弁当箱や水筒、飲みかけのヨーグルトをそこに放置して、駆け足。
声の聞こえた方角へと向かう。川島先輩の声は西校舎曲がり角から聞こえた。飛び込もうとしたけど、目に映った光景に何だか飛び込めなくって俺と大雅先輩は曲がり角陰からこっそりと向こうを覗き込む。
向こうでは川島先輩を筆頭に、困ったように笑う宇津木先輩と、額に手を当てている鈴理先輩。どうしたんだ? 三人揃って。
「ま、まさか元気付けてくれているなんて」
宇津木先輩は申し訳無さそうに頬を掻き、
「そ、そんなことで落ち込んでたの?」
川島先輩は絶叫していた。
「早苗さんには言っていたじゃありませんか。来週の日曜、コミックマーケットがあるから是非それに行きたかったのですけれど、両親や楓さんから危ないから駄目だって止められてしまい、行けなくなってショックだったっと」
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