某俺様、萌えに想いを(後編)

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 わたくしの大好きなBL作家様がそこで同人本を出すのですが、それが会場限定で。  HPにアップもしないそうですし、冊数も少なく……、わたくしはとても落ち込んでいましたの。開催日が近付くごとに落ち込んで落ち込んで。行きたいのに行けない辛さ、それが胸を締め付けてしまってっ……、あぁああ誰か代わりに行ってくれないでしょうか! と、心中で嘆いていたのです。  だけどわたくしネットにお友達もいませんし、BL本を買ってくれるようなリア友いませんし、頼むには少々恥ずかしいですし。 「ずっと早苗さんに言っていたのに、お忘れになっていたのですの?」 「そ、そんなクダラナイことであんなに落ち込んでいると思わないっしょ!」    心外だと宇津木先輩は大反論。 「クダラなくないですわ! わたくしにとっては死活問題ですもの!」 事情を聞いた鈴理先輩は深く、ふかーく溜息をつく。 「……どうするんだ早苗。空と大雅が知ったらっ……、嫌がるあいつ等を無理やりBL展開にさせていたんだ。怒るぞー、これを知ったら。あたしも禁欲させられてっ、はぁ…、まあ友の落ち込む原因が知れたから何も言わんが」     
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