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ギョッと驚く俺が恐る恐る声を掛ければ、「もういい」大雅先輩が吹っ切れたように美形スマイル。
どうせ地獄に落ちた身(地獄?)、とことん落ちるべきだ。
好いている女を喜ばせることをしてやろうじゃないか。
物騒な事をブツクサ呟き始める大雅先輩は、ゆらっと立ち上がり、「な?」一変して満面の笑みを浮かべてくる。
「豊福、俺達はそういう運命なんだ。諦めて落ちようぜ?」
「ちょ、お、おぉおお気を確かに。大雅先輩っ…、どういう運命か、まったくもって、り、理解できなっ「落ちちまうぜ? なあ?」
うっわぁあああああっ、大雅先輩がご乱心したぁああ!
「い。嫌っすぅうう!」逃げ出す俺に、「待ちやがれ!」追ってくる大雅先輩。
至近距離にいたせいか、すーぐ捕まって、あれやこれやの大騒動。
「は、早まったらおっかさん泣くっすよ!」
「るっせぇ!」
こんな大騒ぎをしていたものだから、声を聞きつけた三人がこっちにやって来て。
「ゲッ! と、豊福。二階堂!」
川島先輩は今の話を聞いてしまったのだと察してくれる。
「お、怒ってるよね?」聞いてくる彼女に、どっか螺子を飛ばしている大雅先輩はゼンゼンだとニコリ。
め、目が笑ってねぇよ先輩!
「おかげ様で俺は大事なことに目覚めたみてぇだ。な、豊福」
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