某俺様、萌えに想いを(前編)

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 ご尤もな意見を口にする鈴理先輩は、いつもよりも頼もしく見える。ホンット姉御さんって感じ。  貴重な一面に俺は感動しつつ、なんで俺にもそういうところを見せてくれないんだろうと反面で涙を呑んだ。   「悩みは聞けなくとも、元気になってくれたらあたしも嬉しいんだがな」 「百合子が元気になれるようなものねぇ。そりゃあ、元気になれるものっつったらー、あいつが好きなもので喜ばせるしかないっしょ」  宇津木先輩の好きなもの。  好きなもの、ライク、ラブ、ウェルカム宇津木ワールド。    ………。   想像した途端、寒気が走ったのは俺だけじゃない筈だ。  粟立つ肌を擦っていると、「やっぱあんたよ!」どーんっと川島先輩が向かい側に腰掛けている大雅先輩を指差した。  顔の筋肉を硬直させている大雅先輩を余所に、「あんたしかいないって!」川島先輩はらんらんとした目を向ける。その目、なんだか面白愉快を含んでいるような気がするのは俺の気のせいじゃないっすよね。 「二階堂、あんたは百合子の萌えよ萌え! 美形で俺様攻めはあいつの好きなタイプなんだしさ、ちょっとそこらの野郎を捕まえて、百合子の前でいちゃついてきてよ」 「じょ、ジョーダン言うなよ! 俺は女が好きだっつーの!」    ウゲーッと顔を顰める大雅先輩の言い分はご尤もだ。     
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