ぬくもり欲しな彼氏

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 いやでも擦り寄っているってだけでも恥ずかしいのに、先輩の指を舐めた俺がムービーとして残っているとかカオスじゃんかよ!赤面している俺が消してくれと頼んだ矢先、「お。そうだ」忘れていたとばかりにベッドから下りた先輩がUターン。    やっと制服に着替えようとしていた俺を押し倒すや否やちゅーっと唇に吸い付いてきた。  ひっくり返って呆ける俺だったけど、すぐに何をされているのか分かって甘んじて受け入れる。今日は先輩のぬくもりが欲しいんだ。全部。  熱を帯びた舌を感じ、そっと後頭部に手を回す。歯列をなぞる舌が下顎の裏に触れてきた。ひぐっ、喉を鳴らす行為。ぴくんと無意識に足がはねた。構わない。先輩が欲しい。  無抵抗の俺を見た先輩は、何を思ったのか、キスを終えると「そうか。そうなのか」納得したような面持ちで俺を見下ろしてきた。    「あたしとしたことが、空気を読めないとは一生の不覚。これが空の覚悟だというなら、時間も場所も関係ない。ヤるなら今しか「先輩。なんか勘違いしてますよね?」    幾らぬくもりを欲しているとはいえ、べっつにお誘いをしているわけじゃない。  何度も言うけどスチューデントセックスはお断りしてるんだって。俺。そこは断固として譲りませんよ、先輩。  このままだと先輩にあっらやだぁなことをされかねないから、俺は先輩を抱き締めてベッドにごろんした。 「あ。コラ空!」  攻撃力はあっても守備力はさほどない先輩が珍しく焦っている。     
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