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うーん、普段の俺なら困り果てるところだけど、なんか今日の俺は最強な気がしてきた。
「どっちもちょうだいっす」
即答して一笑する俺に、先輩の方が面食らった。あ、固まってる。
「な、な、なっ……、なんだか空に言い負かされているあたしがいる。なんてことだっ、空ごときにタジタジになっているあたしがいるなんて!」
ギャー! あたしは攻めたいオンナなのだよ!
半狂乱になっている先輩だったけど、「まあ。空が甘えてくることも珍しいか」こんなこと滅多にないしな、自己完結してゆっくり唇を重ねてきた。最初は触れるだけ、後から後から深くなるキスに俺は瞼を下ろす。
「ふっ、ぁ」
合間合間の息継ぎが妙に興奮した。
もっとの意味を込めて、視線をかち合わせる。目で笑う彼女が脇腹を艶かしく触ってきた。「んっ」鼻を通り抜ける甘ったるい吐息が漏れる。先輩の体温を感じられるだけで、なんだか幸せに思えた。
ねちっこいキスを堪能した俺は満足だと先輩に擦り寄る。
「まったく」
今日は学校をサボる勢いだな、微苦笑する先輩はどちらにしろ腹は減ったと空腹を訴えてくる。
べったりな俺の頬にキスをしてベッドから下りた彼女は着替えをしようと言い放つ。「空は着替えるなよ」とかなんとか意味深なことを言われたから、俺は首を傾げた。
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