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立っている襟を直してくれるんだけど、その際、首筋に痕を残していく。必要な行為だったんだろうか。思えど成すがままなのは俺が彼女に甘えているからだろう。
「うむ。見栄えが悪いな」
此処にもつけておこうと先輩は二度痕をつけてくれた。
「よしよし。これでいい。空はあたしの所有物なのだから、見えるところにキスマークをつけておかなければな」
「じゃあ先輩。もっかいキスしましょ。マークよりキスのが俺、好きです」
あ、先輩がまた固まった。
「あれ」いけないこと言いました? おずおず相手に声を掛けると、「な。何故だ!」何故あたしが攻められているような気分を味わっている! 先輩が発狂していた。
「おかしい!」
空のおねだりは可愛らしく此方としても欲情するものだが、今のは何かが違う! と、珍しく先輩が焦っている。
「空、まさかあんた。ポジション逆転を狙っているのではないだろうな!」
「そんなことないですよ。俺と先輩は普通のカップルじゃ無理だって分かりきってますし」
「では何故、あたしが攻められている!」
「俺は攻めているんじゃなくて、強請っているんですけど……」
「………」「………」「………」「………」「ゆ…」「ゆ?」「ゆる…」「ゆる?」「許せるかー!」「えぇええ?!」「あたしが空を食うんだ!」「ちょっ、ぎゃー!」
先輩が形振り構わず押し倒してきた。
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