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いや、分かっていて付き合っているわけだし、攻め女を前提として俺も好きになったわけだけど。……決して攻められたいわけじゃないんだけど、先輩が喜んでくれるならいいかって思うわけで。
なんとなく複雑な気持ちになりながら俺は彼女を横目で見やる。活き活きした面持ちに苦笑。
でも内心では感謝していた。
だって彼女がいなかったら、俺、今頃は。
「昨日。思ったのだが」
ふっと真顔になる彼女、凛々しい表情で俺を見上げてきた。
昨日は喧嘩して酷いこと言ったもんだから、ちょっち気まずい気持ちになったけど、彼女は破顔してこう言った。
「空の泣き顔はとってもエロイんだな。泣く姿が素晴らしくエロかったぞ」
………。
あっれー、なんか予想していた台詞と大幅に違う。
向かうベクトルが逆方向に行ってしまったといいますか。
え、もっと別の言葉を期待していた俺っておかしい? てか、え、それ、笑顔で言われても困るレベル。俺がエロイ? いやいや先輩のフィルターがエロくしているだけっすよ。
なによりも人のマジ泣きをそんな風に見ていたんですか?!
ががーんっとショックを受ける俺に、「何故ショックを受ける」あたしは褒めているんだと鈴理先輩が腰に手を当てた。
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