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俺だって女の子が好きだから、できることなら女の子といちゃいちゃしたい。
だけど全然引いてくれないのは川島先輩。
「百合子がこのままでいいの?」
腰を上げて、ズイーッと相手に詰め寄る。
「あんたさ、百合子が好きでしょ?」
「っ?! ば、バッカ、す……好きじゃねえよ。好きじゃねえよ!」
大雅先輩、あからさま好きだと言ってるようなもんっすよ、その態度。
心中で呆れる俺の隣で、「そうだな」あんたならきっと百合子も元気付くと思う、鈴理先輩が便乗した。
こうして幼馴染みも敵側に回ってしまったため、大雅先輩は追い詰められた。だけど俺様はなかなか折れない。俺はヤだからな、とそっぽ向いてしまう。
「本当に野郎と恋愛をしろって言ってるわけじゃないでしょーよ。ちょっち、百合子を元気付けるようなことをしてくれたらいいだけなんだしさ」
簡単に言う川島先輩だけど、やるのは彼女じゃなく大雅先輩だ。
そりゃあ多大な抵抗感があっても不思議じゃないと思いますっす。嫌だの一点張りを貫き通す大雅先輩に、「百合子が落ち込んだままでいいんだ」へえ、薄情者だと川島先輩は白眼視。
ちょっと決まり悪そうに大雅先輩は、べつにそんなことを言っているわけじゃないと小声で反論。
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