ぬくもり欲しな彼氏

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 洗顔して、じゃれ付いて、モタモタして、ようやく部屋を退室した俺は先輩と一緒にホテル内のレストランに向かった。  先輩の奢りだそうな。申し訳なかったけど、「あたしの我が儘を聞け」とか命令されたらもはや従うしかない。一緒にそこで食事をした。Aランチとかいうヤツを先輩が頼んでくれたんだけど、どれも美味しそうで美味しそうで。コンスープが真っ白いプレートで運ばれた時には、このスープお幾らなんだろ? とか考えたよ。マジで。だって皿から豪華なんだもん。 「今日は一日中あたしといようか。空」    ゆっくり昼食を食べていると、先輩がロールパンを千切りながら提案してきた。 「どうせ学校に行ける気分ではないだろ?」  あたしとデートしよう。  これは命令だと言われてしまい、つい微笑してしまう。  先輩の優しさが伝わってきた。うんっと頷き、俺は我が儘を言う。何処でもいいから先輩と二人きりになりたい、と。  今日は人目のある場所に行きたくない。ただただ二人きりになりたい。   「とても嬉しい誘いだが、気晴らしに外に出た方が気持ちも楽になるんじゃないか?」  気遣いにも、「ヤです」俺は即答する。 「邪魔されたくないんです」    お願いだから、もう少しだけ甘えさせてください。  泣き笑いする俺に意表を突かれた面持ちを作る先輩はすぐに頬を崩した。     
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