ぬくもり欲しな彼氏

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「また部屋をチェックインしなければならないな」  さっきの一室を借りよう、大丈夫。  ばあやが手配してくれるさ。  俺の我が儘を素直に受け入れてくれる先輩はまずは食事だと注意を促した。  だったら俺はあの一室でやりたいことがある。  想いを秘めて、食事を再開する。俺のやりたいこと、それは―――…。    結局食事をして豪華なスイートルームっぽい部屋に戻って来た俺達は、通学鞄をベッドに投げ放った。  部屋を離れたのは小一時間程度なのに、もうベッドメイキングが終わっていた。ホテルの従業員さんって仕事が速いなぁっと感心してしまう。荷物を置いた俺は、これから何をすると声を掛けてくれる先輩の声を背に受けて一歩また一歩、壮大な景色が見える窓に近付いた。  途中で足を止めてしまうのは恐怖してしまうからだろう。やっぱり怖い。高いホテルの一室から窓の向こうを見るのは。  昨日見た景色をもう一度だけ見たかった。  夜の景色を窓辺から見た景色は素晴らしかった。  だったら昼間の景色はどうなんだろう?  好奇心が湧いた。  でも怖かった。高い外の景色を見ることが、父さん母さんの交通事故現場を思い出してしまうから。  ふと右の手を取られた。       
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