翌日はキス一色

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   それは穏やかな昼休み。  いつも一緒に飯を食べている鈴理先輩を学食堂で待っていた時のこと。彼女を待っていた俺は幸か不幸か彼女の許婚と鉢合わせになり、「先に食っとこうぜ」と、あたかも約束していたような口振りで強引に腕を引かれてしまったため、彼と共に席を陣取っていた。  弁当の俺に対して大雅先輩は定食を注文し、彼は先にイタダキマスをして蕎麦を啜っている。彼女が来るまで待っておこうと思っていた俺は弁当を開けず、お冷で空腹を誤魔化していたんだけど、俺様先輩の一言により、この何気ない平穏は崩されてしまったのだった。    「なあ、豊福。テメェって鈴理とディープキスする時、舌は受け入れる側か?」    ぶはっ―!  なんの前触れもなしに飛んできた大雅先輩のクエッションによって、身構えていなかった俺は盛大にお冷を噴き出してしまう。 「汚ねぇなおい」  俺に飛ばすなんざいい度胸だぞ、テーブルを挟んで軽く不快感を示している大雅先輩に謝罪はするけれど、非の半分は先輩にあるということを忘れないで貰いたい。  ノッケから何ディープな質問をしてくれるんっすか、無防備だった俺には痛恨の一撃だったっすよ。     
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