愛する気持ちを半分こ

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半那の口癖、半分こ。それは言葉通りの意味で、俺と自分の持っている何かを半分にして交換しようというものだ。 わかりやすいもので言えば、食べ物や飲み物。二人でクレープを食べている時に俺のと彼女のを半分こし、お互いに交換して食べ合う。お土産で貰ったお菓子や外で勝ったソフトクリーム、ジュースなんかも半分こにするのだ。 無邪気な笑顔でそんなことを言われて、断ることはできない。それに一方的に取られるのではなく、ちゃんと半分は貰えるのでこちらに損はない。 学校ではお弁当を作ってきてくれるのだが、必ずと言っていいほどおかずは偶数で、それを分け合う。その光景を周りに見せないために、二人きりになれる場所でお昼を取るのが常だ。だってそんなことになれば、周りからの嫉妬の視線に殺されること間違いなしだ。 だからこうして、二人きりで食事をとる。その際の光景は、とてもまわりには見せられない。自分で言うのもなんだが、端から見ればイチャイチャしまくっているただのバカップルだ。 だが、もうバカップルでいい。そう思えるほど、俺は彼女に、半那に夢中になっていた。半那も、自惚れじゃないほどに俺のことを好いてくれている。
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