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「お兄ちゃん、大丈夫? 真っ青な顔しているよ」
小さな女の子が俊太の顔を覗き込んだ。やはり、どこかで見たことがある……そう感じる子だった。
俊太もそう感じているようで、その5~6歳に見える女の子の顔を凝視している。
「キミ……、どこかで会ったよね?」
「忘れちゃったの?お兄ちゃんが助けようとしてくれたんだよ」
そう言って微笑むと、女の子はパタパタと走って隣の車両へ移っていった。
「助けようと……?」
俊太は頭を抱えて考え込んでいた。私は俊太の背中にそっと手を当てた。
「大丈夫? 俊ちゃん」
「……千秋も一緒に行ったよな……。去年の夏、今の子の……家」
「……えっ?」
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