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「彼は全て思い出したのよ。混乱しているのは、貴女でしょう?」
さっきまでの温度の無い言葉とは違い、温かみのある、慈愛の感じる口調で女性の大きな瞳が私の顔を覗き込んでいる。
混乱しているのは……私の方なの?
今日、私は何をしていた? いつも通りバトミントン部の練習が終わって、途中の駅で友達と別れた。そして、私は傘を電車の中に忘れたことに気が付いた。それが、霧町駅で降りた時……。そして、俊太にlineした。
何も混乱していないよね……?
電車が徐行していくのを感じて、光の中にある駅に着いたようだった。
扉が開くのがスローモーションのように見えた瞬間、私は思い出した。
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