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「お父さんは大丈夫でしたか?」
「思ったより元気だったわ、明日には退院して自宅療養になるみたい」
「よかったですね」
「母はどうせならもっと入院してればいいのにって言ってる…それより、昨日はうちの娘が迷惑かけちゃったんだって?」
「レアな五十川さんを見れました」
「あらあら…ふーん、それでさっきのだらし無い顔?」
「ど、どういう意味ですか」
「どうもこうも、好きなんでしょう?物好きねえ、あんな男のどこがいいのか理解できないわ」
…好き?
「そんなことっ一言も言ってないじゃないですか!」
「やーねぇ、ムキにならないでよ」
「だって、そんな…す、好きとか。俺はただ、五十川さんとは仲良くなりたいだけ…です、し」
「えー?好きだから仲良くなりたいんじゃないの?嫌いな人と仲良くなりたいなんて思わないじゃない、」
言われてみればそのとおりで。
「五十川くんが友情を育む姿なんて想像できないけど。気長に頑張ってね」
「…友情」
「愛情がいい?」
「いっいえ!」
「いいのよいいのよ、茶化してごめん」
奈美枝さんは何を心得たのか、うんうんと頷いている。
何か誤解をされているがどこをどう訂正すればいいのか分からない。
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