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淡々と過ぎていく毎日がつまらなかった。
目に映る全てのモノがしょうもなく感じていた。
人間の感情も、移ろう他人との関係も全てがどうでも良い。
所詮、人なんて直ぐに掌を返す。
そんな単純な人間が嫌いだった。
長いものに巻かれ、媚びる人間。
弱者をいたぶって、それを良しとする人間。
それらが堪らなく下らないと、そんな人間を何処か遠い場所で見下していた。
“俺”はどうやら、人とは何処かが決定的に違うらしい。
一番に思い浮かぶのは、考え方だった。
考え方の相違から、避けられていた。
訳が解らなかった。
誰に理解される事もなく、独りぼっちで諦めて。
いつしか、思考は歪んでさ。
そんな俺の唯一の逃げ場所は二次元と音楽だった。
音楽と小説が俺の支えだった。
それと同時に“俺”が“私”で在られる場所。
だから、ヘッドフォンと携帯が手放せなかった。
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