2.妖の世界

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2.妖の世界

「ん…」 真琴が目をさますとそこは先ほどいた場所。 男も居なくなっていた。 「…なんだ…夢…か」 真琴は立ち上がると先ほどの席に戻ろうと… 真琴は驚いた。 周りは角の生えたものに尾の生えたもの。 それに皆和服。 店内は笛の音が響く。 さっきと内装は変わらない。 普通の人間らしきものもいる。 いったい何があったのか分からなくなった。 一度外へ飛び出してみると先ほどまでコンクリートばかりの建物街だった所は木造の建物ばかり。 その上周りは人で賑わい奥からは鈴と笛の音、太鼓の音が聞こえた。 まるで昔にタイムスリップしたかのよう。 「なに…ここ…」 1人で呆然としていると隣から自分より小柄な少年が服を引っ張っていた。 「お姉さん。 不思議な格好だね…もしかして人間?」 その質問に疑問を覚えたが真琴は焦りのあまりあまり思考が回らず静かに頷いた。 すると少年の目つきが変わり真琴の腕をガシッと持ち店の隣の細い道の奥に連れ込んだ。 「いっ…痛い…どうしたの!?」 少年はこちらを向くと人間とは思えない眼をしていた。 赤く光る瞳、口元には鋭い牙が生えて居た。 「!?(逃げなきゃ…〉」 走ろうとすると急に 腕に激痛とともに腕が熱くなった。 「あ…ヴっ…!?」 腕を見ると少年が腕に噛み付いていた。 真琴はその少年を振り払ってその場に倒れこんだ。 「あ…つ…な…なに!?」 その腕は流血しておりとても熱くなった。 「…人間の血はうまい…だから飲む… お前は死ぬ。最後まで吸わせろ…大人しく吸わせないなら…」 少年は血の流れる腕に何かの液体をかけた。 その習慣体がガクンと重くなり身体中が熱くなり激痛が走った。 「…!?っ!」 少年は近づき真琴の腕を持ち口に近づけた。 「…美味しい血…もらいますね…」 「っ!やめ…やめて!!」 そう力を振り絞り叫んだ瞬間だった。 目の前の少年が何かに弾き飛ばされ目の前でばたりと倒れ動かなくなり真琴は誰かに抱きかかえられていた。
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