3. 桜薬

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3. 桜薬

「大丈夫か?」 目の前には綺麗な銀髪を持った男がいた。 「っ…ぁ…」 真琴はすでにこえがでなくなっていた。 「…毒か…おい伊吉(いきち)! この少女は半分に毒が回っている! 野衾(のぶすま)がやったものだろう… こいつを回収してくれ!」 後ろには伊吉という男を合わせ6人の男と笛や鈴を持った男と女が数十名いた。 先程の少年は野衾と言うものらしい。 伊吉という男ははいはいと返事をすると野衾と言う少年を担ぎ上げた。 一方真琴を抱きかかえた男は先程の居酒屋に入って近くの席に座った。 「もう少しの辛抱だ…頑張れ。」 男は胡座をかくとその間に真琴を座らせ腕で頭を支えると1人の女を呼んだ。 「小雪!すまない来てくれ!」 すると店の奥から少し小柄の黒髪を綺麗にまとめた女が店の奥から出てきた。 「はい。 どうされましたか。」 「この少女に毒が回っている。 それに出血がひどい。 少しここで治療をしてもいいか?」 「勿論です。 早く治してあげて下さい。」 「ありがとう小雪。」 男は真琴の傷に小雪という女から受け取った 桜の花を当てた。 「桜の花よ。 この少女の腕に癒しを…」 その様にとなえると血は止まり傷口も治まった。 傷口には桜の花びらのあざの様なものが出来た。 「よし… おい大丈夫か…?」 真琴は眼を開くとはっとして男の膝から降りた。 「っ…すみません!…って…傷が治ってる…」 真琴は少し混乱すると男にこんな質問をした。 「あの!ここはどこなんですか!?」 「お前は…人間の世界から来たのか… 取り敢えず俺らの所へ来い。」 「えっ!?」 真琴が混乱していると男が真琴をかついで外へ出ると人力車の様なものに乗せられた。 「取り敢えず混乱するのはわかるが落ち着け。 俺たちがしっかり教えてやる。」 男も人力車に乗ると男は人力車を動かす様に命じ人力車は進んだ。
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