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4. 纈
「あの!降ろしてください!」
真琴は逃げようと決心し人力車から飛び降りようとすると、真琴を捕まえ膝に乗せ固定した。
真琴は助けてもらい治療までして貰ったが、どうしてもこの状況では信用できなかった。
どうしても抵抗して暴れた。
すると男は少し大きい声で名前を呼んだ。
「纈(ゆはた)!来てくれ…」
そう呼ぶと空から白い翼を持つ可愛らしい顔をした男が飛んでいた。
そして真琴の隣へ座った。
「どうしたの??
ってあれ…さっきの子だ」
「どうしても俺たちの事が信用できないらしくてな…纈なら女の子みたいだしどうにか出来るかと」
纈という男は少し考えると真琴の頭を撫でてにこりと笑った。
「ごめんね…怖いだろうけど少し信用して…?
ちゃんと説明はするからさ?」
真琴は纈の顔を見ると少し安心した。
説明してもらえるなら、と暴れるのをやめて
じっとした。
「おぉ、流石『乙女纈(おとめゆはた)』」
「その呼び方や め てよ~… あ、もうつくね。」
目の前には大きな旅館のような建物が建ってあった
その建物までの道には人がずらっと並んでおりそこを通ると皆頭を下げていた。
そしてその建物の前に着くと男はまた真琴を担いで中江入って行った。
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