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5.名前
「戻れないんですか!?」
そうばっと立ち上がると隣の男は
キョトンとした顔をして答えた。
「あ、いや…今は戻せないと言っただけで…
今日のような満月の日には戻れる。
だから今から最低31日ここにとどまってもらう。」
真琴はそれを聞くとまた安心を取り戻しまた座布団に座った。
しかしこの世界には当たり前に住む場所もない。
寝泊まりするところも無い。
そんなことを考えていると前にいた纈がにっこりと笑って話しかけてきた。
「あ、元の世界に戻るまでは僕達が住んでいるここに住んでもらうので寝泊まりする所などは安心してください。」
「えっ、いいんですか?」
そう聞くと隣の男はまた
少し先程の話の続きを話した。
「ああ、それにここの世界にはお世辞にも絶対安心とは言えないからな…さっきみたいに人間の血を吸う者や喰うものだって居る。
だからこの世界にいる間は絶対に俺たちがお前を
守るから安心しろ。」
真琴はその言葉を聞くと少し照れくさくなったが
とても安心した。
この人たちは信用しても良いんだと思った。
すると前にいた伊吉という男がいきなり立って真琴の前に来た。
「よし!まずは自己紹介しようぜ!
お前の名前も知りてぇしな!」
「あ、はい!
私は美咲 真琴と言います…これからよろしくお願いします…」
そう言うと伊吉はにっこりと笑い元のところへ戻って座ると順番に自己紹介するように言った。
「じゃあ真琴に自己紹介な!
名前と年齢で良いだろ!
まず俺は伊吉(いきち)21歳だ!
よろしくな!」
すると次に隣に座っていた黒髪に毛先だけラベンダーの色をした髪の男が自己紹介をした。
「…吹雪、20歳。
よろしく…」
その次に纈が自己紹介をした。
「纈(ゆはた)です!20歳です。
よろしくお願いします!」
するとその隣に座っていた長身に
胸元の開いた和服を着た男が真琴の隣に座って頭を撫で始めた。
「俺は颯(はやて)23だ。
よろしくな。」
「ぁ…はい…///」
すると颯は後ろから誰かに引っ張られた。
「こらこら…困ってるだろう?
すまないな…俺は時宗(ときむね)。
27歳。よろしくな」
するとその前にいた細身で綺麗な青髪をした男が寄ってきてニコリと笑った。
「あらあら。
ずるいわねぇ皆んな!
真琴ちゃんに引っ付いて!
私は紫苑(しおん)よ。
見た目は男でも心はキチンと女性…
だと思っていてね?」
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