頭にきたんだ!

2/12
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
ドン! ドスン! ドカン! ドン! ドスン! ドカン! 大きな音が聞こえてきました! その音のする方を見てみると、地面に大きな穴が、たくさんあいています。しかも、その穴は、どんどん増えていきます。やがて、地面は、穴だらけになりました。 アリのリッキーが腹を立てて、大きな石を次々、地面に放り投げていたのです。リッキー は、アリの中の一番の力持ちです。 そこへ、丸虫のマリーがやって来て、言いました。 「リッキー、どうしたんだい?そんなに石を放り投げて!」 マリーは、枯れ葉の下で、気持ち良くお昼寝をしていたのに、大きな音で目が覚めたのでした。 「頭にきたんだ!」 「なにが?」 「何がって、毎日、毎日、食べ物を探し求めて歩き回っていることさ。」 「食べ物がないと生きていけないよ。」 「わかっているよ。でも、毎日、毎日、そればかりだから、おもしろくない!」 「で、どうしたいの?」 「チョウやトンボのように空を自由に飛び回りたいな」 「なんだ。そんなことか!」 「なんだは、ないだろう!」 「ごめん、ごめん。でも、空なんか、簡単に飛べるから!」 「え!どうやって?」 「簡単、簡単。花びらを二枚持って、バタバタするんだよ。チョウのように。」 「あー、なるほど。」 「そうだろう!やってみたら。」 「うん。」 リッキーは、さっそく、花びらをとってきて、それを、チョウの羽根のように動かしてみました。力いっぱい動かしました。しかし、浮き上がりもしません。 「だめだ!」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!