第1章

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何かの生物が入れられている水槽をそれぞれ抱えた2人の学生が、話しながら研究棟の廊下を歩いていた。 「教授の理論は面白いよな」 「多重次元の話しか?」 「そうそれ。 幾つもの世界が互いに認識されないだけで存在しているなんて、聞いているだけでも面白いよ」 「でもさ、平行次元ならまだ何となく分かるけど、大きさが全く違う世界が多数存在しているなんてちょっと信じられないよ。 小さな世界なんて言ったらこの小さな生物でさえ、怪獣に見える世界があるって事だから」 彼はそう言いながら水槽の中を見て、何かを咀嚼している微小な芋虫を覗き込んだ。
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