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戦いは壮絶だった。
勇者パーティーと魔王の戦いで魔王の城は、その大半が破壊されてしまった。
戦闘開始から丸一日が経過する頃、エルフの一人が力尽きた。しばらくして男の一人が消し飛んだ。
大魔王コバルト=ハイザーの実力は、それまでの魔王等と比べても歴代最強を名乗れる恐ろしいものであったが、どうやら勇者もまた、稀に見る実力を持つ者だったようだ。
流石に一人ではコバルトに遠く及ばないが、仲間等と力を合わせ、念入りに揃えた伝説級の武器防具に身を固め、神仏精霊の加護を受けた上に回復アイテムをジャブジャブと使用して、少しずつこの歴史上最強の大魔王を追い詰めている。
「…終わりだ、魔王…」
『ゴフッ…確かに強いな。単純な戦力だけならステンのほうが強いだろうが、加護の分お前の方が我との相性が若干良いようだ。』
「それが最後の言葉か?名言とは程遠いが?」
『ふふっ。そうよな、最後の言葉には相応しくなかろうな。願わくば、魔族の皆と人族、獣人族が笑顔で暮らせる世の中に…』
「なに!?」
勇者はまだ何か言いたそうではあったが、魔王の様子を見て、これを好機とみた人族の男、戦士がコバルトの首を切り裂いた。
これにて伝説級の大魔王が討伐されたのである。
それから100年の月日が流れる。
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