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「安心して、私達も恋人同士ではないから」
安心して、って…。
やっぱり疑いの目で見ていたのが分かるのか、それとも接客業を営む職業の勘か。
ミホさんには何となく見透かされている気がする。
「さっき一緒にいたのは上司で…高瀬先輩の同期だそうです」
「あぁ、そうだったの?とても顔の整った方だったわね」
チャラ男ですよ、ただの。
妙な色仕掛けを使ってくる、ただのチャラ男。
「社内ではモテるみたいです」
「そんな感じね」
ミホさんはグラスに口をつけて一口飲んだ。
それを見て私も一口飲む。
思っていたよりものどが渇いていたらしく、体に染み渡るような感覚。
「美味しいです」
「ふふっ、ありがとう」
ミホさんは満面の笑みを浮かべた。
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