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「なんか女の子とお店に行ってるって噂聞いてたからさ、あの女の子とかな?って…会社も早く帰ってたし、アメリカ行く前」
そこで気づいた。
上田先輩が以前も言ってた“あの女の子”っていうのは、ミホさんのことかもしれない。
だとしたら、上田先輩の勘違いだということになる。
高瀬先輩が言うには、2人は恋人ではない。
フロマージュを食べ終えて食後のコーヒーが運ばれた頃、高瀬先輩たちのコース料理が始まった。
席は私の後ろだからよく見えない。
話している声はするけど、聞き取れるほど大きくはない。
…別に…気にならない…気にしない。
「嶋岡ちゃん」
呼ばれてハッとして顔を上げた。
「どうだった?今日」
「あ、そうですね…全部美味しかったですね」
「そうだね、ここなら接待も上手くいきそうだね」
上田先輩は少し微笑んでから、コーヒーを飲み干した。
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