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「おもしろいんだもん、嶋岡ちゃん、男慣れしてない感が」
「ヒドイですね」
「ごめんごめん」
上田先輩は満面の笑みを見せた。
「今までに会ったことない女の子だよ、嶋岡ちゃん」
「私も上田先輩みたいな男性と初めて会いました」
私の周りにこんなチャラい人いないよ…。
1階まで降りて外に出ると大勢の人が行き交っていて、さっきまでのレストランの優雅さとはかけ離れていた。
「さて、このまま現実に戻るのはもったいないじゃない?シンデレラ?」
「え、どういう事…」
言い切る前に上田先輩は再び私の手を握る。
「副社長が俺と嶋岡ちゃんだけにくれたチケット、使おうよ」
「な、何の券ですか?」
パニックになっている私をよそに上田先輩はタクシーを停めた。
「さぁ、乗って」
押し込まれるようにタクシーに乗り込んだ。
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