4. 上司と後輩

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「海浜公園まで」 それ、どこ?! 「はい」 タクシーの運転手さんは分かっていても、地方から出てきて1ヶ月の私にはいまいち地形が分からない。 遠いのか、近いのか。 そしてこんな暗いのに公園ってどういうこと? 「あの、それどこですか…」 上田先輩は窓の外を指差した。 その先には大きな観覧車。 「さっきのレストランでも怖くなかったんなら、高いところ大丈夫だよね?」 「え、あぁ、はい」 きっと私たちは今からあの観覧車に乗るんだ。 副社長に貰ったのは、あの観覧車の乗車券なんだろう。 行き先が分かったところで、手が未だに握られていることに気づいた。 でも、振りほどくと失礼な気がしてただ近付いていく観覧車を見つめた。
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