4. 上司と後輩

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観覧車の近くでタクシーから降りる。 手を引かれて観覧車まで続く階段の下に立った。 「大きいなぁー…この観覧車、日本国内でも大きい方なんだって」 「こんな大きな観覧車初めてです」 「うん、俺も」 上田先輩は手を離して、階段を上がり始めた。 5段くらい後ろから追いかけて上がる。 100段くらいの階段を上がりきると、緑色一色だった観覧車が七色に点灯し始めた。 周りの木々にはLEDのライトが施され、光の道となって観覧車の元まで続いている。 「わぁ、キレイですね!」 「うん、キレイ」 観覧車の真下でチケットを出し、スロープを上がる。 10組くらい並んでいたけど、すべてカップルだった。 …いや、私たちのように上司と後輩かもしれないけど。
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