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観覧車をおりて、来た道を戻る。
階段下の大通りに出ると、車のライトが私達を眩しく照らした。
「タクシーで家まで送るよ」
「あ、でも、上田先輩と家逆方面ですよね?」
「ん?俺はホテルに戻るよ、宿泊のチケットもあるし」
本当に宿泊券もらってたんだ。
副社長、大盤振る舞いだな…。
「一緒に泊まる?」
「泊まりません、私も駅まで戻って電車で帰ります」
「そう?残念」
上田先輩は手を上げてタクシーをとめた。
駅まで戻る車内は行きとは違って手を繋ぐわけでもなく、会話をするわけでもなく、ただタクシーに揺られた。
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