4. 上司と後輩

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駅に着くと相変わらず大勢の人が行き交っていて、現実に引き戻された。 「じゃ、嶋岡ちゃん帰り気をつけて」 「はい、ありがとうございました」 「そんな可愛い格好してると痴漢とか心配だなぁ」 「大丈夫です、乗客少ないので、私の路線」 私を痴漢する人なんていないよ。 心配性の上田先輩に頭を下げて改札へと向かった。 思っていた通り、車内は混んでいなかったので座れた。 ゴールデンウィークだからなのか、いつもと違って仕事帰りの人より、小さい子ども連れの家族が目立つ。 …私もいつか、お母さんになるのかな…。 不意に家族を思い出したところで、スマホが震えていることに気づいた。 液晶を見て息を飲む。 …高瀬先輩…?!
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