1.出会い

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「というか上田先輩って、三十路には見えないよね」 「うん、もう少し落ち着いてもいいような…」 「あー、高瀬先輩みたいに?」 ドキッ。 …え、なんで。 名前聞いただけで鼓動が高鳴る。 顔を思い出して顔が熱くなる。 …お酒のせい? 「高瀬先輩、いい人だったよね」 「うん」 「イケメンだし」 「うん」 「あんなイケメンなおばけいないからね」 「そ、それは…」 クスクス笑う浅井君に何も言い返せなかった。 会議室で泣いてたこと、高瀬先輩はどう思ったんだろう? ストレスに押しつぶされそうな新社会人の涙に、うんざりしただろうか…? 電車の心地よい揺れが眠気を誘い、意識が遠くなっていく。
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