1.出会い

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「嶋岡さん、おつかれっす」 背後から声がかかり、振り返った。 そこには同じ企画部唯一の同期、浅井君がいた。 「…お疲れさまです」 カタカタと忙しく働くコピー機の音に、私の声は消されていないだろうか? 「新人研修と言いながらさ、初日から雑用ばっかりだったよね」 細くて長い指が慣れたようにコピー機のボタンを押すのをジッと見る。 背も高くて細い浅井君は、指先まですらりと長い。 「でもこれで終わりだって、明日はやっと休みだね」 2台のコピー機がカタカタと大きな音で働くから、私の声は聞こえないと思って微笑みを返した。 というか疲れて声を出したくなかった。
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