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コピー機のカウンターは、320…319…と減っていく。
まだ時間がかかりそう。
コピー室には私達2人きり。
同期と言っても入社したてだし、男の人と何を話していいか分からない。
何より、2台のコピー機の音が会話の邪魔をする。
文字の並ぶ紙が規則正しく出てくる様子をぼんやりと眺めているだけだった。
人の気配がして振り返ると、私達に仕事を教えてくれる指導者の上田先輩がコピー室に入ってきた。
「嶋岡ちゃーん、おつかれっ」
8歳年上のわりにちょっとこげ茶の髪色をしている上田先輩は、一見チャラそうに見える。
三十路になっても落ち着きがなさそうなこの人が未婚である事は、今朝の出勤時のエレベーター内で聞いた。
他の部署の女性2人が話していたのがたまたま聞こえたのだ。
キャッキャとはしゃぐ高いキーの声に朝から頭痛がした。
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