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「上司として一緒にいる時間は俺より長いのに、嶋岡さんの気持ちに気付いてあげられないなんて、まだまだですね」
上田先輩はグッと歯を食いしばったように見えた。
「と、いうことで、嶋岡さん帰ろう」
「え?高瀬先輩は…?」
「年休取ってきた、最寄り駅一緒だから送るし、安心して仕事してよ、上田さん」
「…そうか、ありがとう」
「じゃ、下のカフェ前で待ってるから準備できたら下りてきてね」
「分かりました」
高瀬先輩が去ってすぐ、上田先輩が頭を下げた。
「ごめん、気付いてあげられなくて…つらかったよね?」
「あ、いいえ、大丈夫です、いまいちどうか分からないし…」
「でも嫌な気持ちになったよね?ごめんね、仕事頼み過ぎちゃってるよね?」
上田先輩は申し訳ないといった様子で私を見つめた。
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