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ディナーのメニューは高級食材のオンパレードだった。
キャビア、アワビ、トリュフ、フォアグラ…社会人になりたての庶民の私にとって、どれも初めて食べるものばかり。
上田先輩は料理が来るたびにひとつひとつ味や見た目を確認していた。
「このマリネはレモンソースのほうがオマール海老と合いそうだよね」
とか、返答に困ることもあった。
「詳しいですよね、上田先輩、美味しいものに対して」
潰れそうな定食屋でも味は美味しかったし、今回のようなフランス料理も詳しい。
「んー、まぁ、将来的にカフェとか開こうと思って」
「えっ?!」
思わぬ言葉に少し大きめの声を出してしまい、口を隠した。
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