プロローグ

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 少年の名はエルドという。地方役人の次男に生まれ魔法使いに憧れて育った。多くの英雄がそうであるように、速くて強い風魔法を使おうと思い、直刀を得物に選んだ。  だがエルドの風魔法は伸び悩んだ。学校の模擬戦も負けが多くなり、幼い頃の憧れは遠くなっていった。遂には他属性の魔法を使う事を視野に入れた。  土属性を少し、ほんの少しだけ使う様になった。踏み込む相手の前に進路を塞ぐように壁を作る事をを模擬戦でやってみた。  だが壁は一瞬で相手の槍に砕かれ負け試合となった。余りにも弱い、小さな壁だった。  だが相手の少年はエルドの人生を変えてくれた。
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