プロローグ

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 それでもいつもは俺が、そのつもりのない彼女の手ごと包み込むようにして握って、やや強引に上下させているので、もう少し圧迫感がある。いまいち圧力に欠けるこれは、焦らされているようにも思えた。彼女のことだからそんな思惑はないのだろう。俺が喜ぶと思って見様見真似で奉仕してくれているのだろう……そう思いながらも、耐え切れずに自分の手を重ねた。手に力を込めると、物言いたげな瞳と目が合う。  今日は私がするの。 そういう瞳だ。
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